甲武信小屋~国師ヶ岳~大弛峠~金峰山?
文句ない快晴。-7℃ほど。 6時半出発。 小屋の主人によると国師方面は誰も歩いていないとのこと。 小屋の中からも「トレース無いから国師は行かない」という声が聞こえてくる。 「何をふ抜けた事を・・・」と僕らは甲武信ヶ岳を通過して、トレースの無い道へ向かった。 1時間程歩いた頃には事の重大さに気付き始める。 積雪が平均でヒザ上くらいで、深いところでは股下ぐらいのラッセルを強いられる。 足かせをつけられたかのように足が重い。 段差を越えるのにも両手をついて這うようにしなければならない。 バックカントリーをやる人にとったら大した雪ではないだろうけど、僕らは今回完全にハイキング装備だ。何と言っても足元は運動靴だ。 動いているうちは良いけれど、止まると途端につま先が凍えてくる。 昼食にお湯を沸かそうとしたら、冷えてしまったのか100円ライターがつかない。 予備も試すがつかない。 仕方なくシャーベット状になった冷水でシリアルを流し込む。 T君がサーモスにお湯を入れて持っていたのでそれをもらえば良かったのだけど、何故かそれを思いつかなかった。 この時期暖かいものを口に出来ないのはつらい。 このあたりの写真はほとんどない。それどころではなかった。 山を歩いていて初めて吐き気を感じた。目の前がチカチカする。 頭がぼーっとするので意味不明な掛け声を発しながら歩く。 T君も「何か眠い」と言っている。 救いなのは風が無くて気温がさほど低くならなかった事。 集中力を無くしながらもトレースが無いので、道を誤まらないように確認しながら進む。 「このピークの先が国師ヶ岳のはず」と思いピークを越えるが騙されるという事を何度も繰り返す。これは精神的に物凄くキツイ。 そして何度目かの正直で国師ヶ岳に到着。 ここまでくればあとは下りなのでひと安心と思いきや、やはり雪のせいで難儀だった。 15時半、9時間の行動を終えて無人の大弛小屋に到着。 金峰まで行く予定だったが、お互いその事は口にせず小屋に入る。 そして何も言わず小屋に泊まる準備をする。 もしソロで小屋も無かったとしたら多分シェルターにくるまって寝たと思う。 ここまで疲弊したのは初めてだった。金峰まで行こうなんて今思うと何を考えていたのか。 ああ、やばい小屋快適だ(トイレの鍵が閉まってたけど)。 ライターも復活したので湯を沸かし、コーヒーを立て続けに2杯むさぼり飲む。 布団は別料金とあるので律儀にマットを敷き、寝袋で寝た。 泥のように眠るとはこの事か。 続く。
by yasler
| 2008-12-06 14:48
| 歩記
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