カテゴリ:歩記( 36 )

再開の尾瀬

『多くの楽しみと美しい思い出とを満載して「時」の船が岸を離れる。岸では懐かしいいくつかの顔が涙ぐみながら出発する船を見送る。私たちはまた来るだろう。今度はもっと大人になり、今よりももっと賢くなって』
尾崎喜八「高原にて」より
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テントや食料、衣服などを背負い緑の木々の中を(時には茶色い砂塵の中を)歩き、程よい場所で一夜を過ごしまた歩き出す。
こうした原始的で科学的な遊びから離れて気がつけば数年が経過していた。
その間僕の身と心はすっかりクライミングという遊びに奪われていた。そのクライミングを共にすることが多い仲間から近頃「山を歩きたい」という声が聞かれるようになった。僕と同じように元々はテントを担いで山を歩く行為(その中でも少しマニアックな)からクライミングに移行した仲間達だ。
そんな仲間達と一泊の尾瀬歩きとなった。

2016.9.17〜9.18
鳩待峠〜山ノ鼻〜見晴(泊)〜尾瀬沼〜大清水
鳩待峠を出発し、ひたすら木道を行く。あまりに続く平行移動に不安になるころ眼前が開けて、いかにも尾瀬といった光景が現れる。
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photo by ヤハギくん

とりとめのない(およそ目の前の自然とは関係のない)話しをしているうちに幕営地である見晴キャンプ場に着いてしまった。思わず「着いてしまった」と言いたくなるほど快適な道程だった。
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離れたところに我々と似た趣向の道具だての2人組が幕を張っていた。そこで意気投合し宴を催すような社交性は我々にはなかった。
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幕を張り昼過ぎから夜半にかけての行動については詳しく記さずにおく。
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夜半から降り出した雨が夜中には激しさを増していた。
屋根をたたく雨音を聞きながら「ああ、山で寝るとはこういうことだったか」とまどろみつつ感慨にふけっていたら、枕にしていた着替え入りのスタッフサックが水たまりの中に沈んでいた。早く朝が来て欲しいと願うこの気持ちもまた懐かしい感覚だった。
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雨に追われるように撤収し出発。
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photo by yanasenpai(上城山岳隊)
この日も木道を滑るように歩行し(実際2回ほど滑り転倒した)尾瀬沼を経由し終点の大清水にたどり着いた。
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日帰りの沢登りやクライミングでのキャンプを除くと、純粋に山で眠るためにテントを担いで歩くのは実に2011年以来となる。
登山のオプションとしての宿泊ではなく、あくまで地面の上で煮炊きをして星を眺めながら眠るために山を歩く。
今までになくeasy(で和気あいあいとした)な行程だったけれど、僕にとっての野外活動の原点であるこの感覚を取り戻した良い山行だった。

同行のパイセン、ハンハン、ヤハギくんそしてサンプルのバックパックを貸してくれたgreat cossy mountainのコッシーさんに感謝。

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by yasler | 2016-09-19 10:49 | 歩記

笛吹川を溯る 2日目

2日目

簡単な朝食を済ませ済み渡った空気の中出発。
木々の間から青空が見える。
渓では涼しい風がそよいでいるが稜線上ではすでにかなりの暑さになっているだろう。
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by yasler | 2011-08-28 17:03 | 歩記

笛吹川を溯る

「秩父の山の美はむしろ渓谷にある。そしてこれほど壮絶な、これほど潤いを有する渓谷を、何処に見出す事が出来るだろうか。私たちは秩父に誇るべき一景を加えたことを喜ばずにはいられなかった。」

田部重治「山と渓谷」より

昨年あたりから夏の灼熱の登山道から沢を見下ろすたびに「あそこに飛び込めたらどれだけ幸せだろうか」と考えていた。

そしてついにクライミング仲間Hを伴い奥秩父の渓谷へと降り立った。

2011年 8月13日~14日
笛吹川東沢釜の沢の遡行。
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by yasler | 2011-08-28 13:20 | 歩記

奥秩父で胸ラッセル

2011.2月25日~2月27日
西沢渓谷~徳ちゃん新道~甲武信小屋(幕営)
甲武信小屋~甲武信ヶ武~雁坂峠
雁坂峠~道の駅みとみ

念願だった冬期の奥秩父歩きへ。
トレース無しの胸ラッセルで痛快なハイクとなった。
写真のみで綴る。
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by yasler | 2011-04-17 21:19 | 歩記

Okuchichibu hike with Glenvp&愚蓮隊 Day3 完結編

3日目、しとしと降る雨の中避難小屋を後にする。
晴れていれば苔蒸した森と時折見える富士山の威容を楽しめる絶好の道なのだけど、濃霧の中をひたすら行進して行く一行。
glenにも「晴れてればここから富士山がよく見えるんだ」と説明する。

遠くから参加している人にこの道の素晴らしさを体感してほしかったので僕は「晴れてればなあ残念だなあ」と消沈していた。
ところがBeyondさんの「いやあ気持ちええねえ!」と(半袖で)はしゃいでいる姿を見て、ああこの人達は天気がどうであれ山を楽しめる人達なんだと気づいて嬉しくなった。

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奥秩父ハイカーにはおなじみの雁坂峠へ。
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雨装束は一番個性が出て面白い。
glenはDry ducksのジャケットにCubenのレインチャプスだった。

そして本当は4日間の行程だが僕はここで皆と別れて下山しなければならない。
広瀬湖側に下りるか秩父湖側に下りる悩んでいたがChiyochangの「秩父湖側の川又に下りるのが楽だ」という助言に従うことに。

その結果たいへん愉快な出来事に遭遇する事となる。

後日三鷹で予定されているHiker`s partyでの再会を約束して一行と別れた。
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この先は特に難しい箇所もない樹林帯の下りだ。
雨にそぼ濡れながらとぼとぼ歩く。
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この3日間の事を思い出すとつい笑みがこぼれてしまう。
いつも通りのソロ歩きに戻っただけなんだけど、なんだか感傷的になってしまった。
暖かさに慣れてしまうとそこから抜け出すのがつらくなる。
まるでこたつみたいだなと独りほくそ笑む。
こんな山の中でこんな事に気づかされるとは思っていなかった。
いやむしろ非日常の山の中だからこそなのかなと、これぞ一人歩きの醍醐味とも言える思考のループにはまっていた時だった。

さほど急でもない下り坂の前方30メートルほど先にモコモコした黒い物がいる。
目が合った途端向こうも「あっ」という顔をした。
次の瞬間にはその物体は横の藪に飛び込んで消えていった。
ガサガサという藪をこぐ音を残して。

熊だ。

そのあとたっぷり5分は様子を見てじっとしていた、というより足がすくんで動けなかった。
今から来た道を引き返すのは現実的ではない、進むしかない。
僕は熊鈴があまり好きではないうえに今回は集団だったので持たなかった。
とにかく腹から「うおっ!うおっ!」と声を発して存在を示しながら歩いた。
ちょうど前日に土屋さんに習ったコールだ。

もう藪から小鳥が飛び立つ音で心臓が止まる思いだった。

樺避難小屋、突出峠、岩道場を経て川又へとたどり着いた。
いまだ経験した事のない類の疲弊した身に待っていたのは、次のバスが来るのが3時間後という現実だった。
6キロほど先の秩父湖バス停まで行けばバスがあるらしいのでしかたなく歩く。
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結局2時間ほど舗装路を歩き、バスに乗り西武秩父駅へと辿りついた。
この下山時の出来事のおかげで忘れられない印象深い山行となった。

この山行の誘いがあった時錚々たるメンバーを聞いて、正直僕は断ろうかと思っていた。
僕なんかよりスキルがあって道具に詳しい魅力的な人が沢山いるのを知っているので、おこがましいという思いともったいないという気持ちがあったからだ。
でも今となっては参加して本当に良かったと思っている。

感謝をこめて。




後日談・・・翌日まで歩く予定だった他のメンバーも結局夜まで歩いてこの日のうちに下山したらしい。
       glenの装備では雨に濡れてもう一泊するのは厳しいだろうとの理由から。
       事前に気温は伝えてあったがあの湿度の高さから来る冷えはglenの想定外だったようだ。

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再見       




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by yasler | 2011-03-05 02:17 | 歩記

Okuchichibu hike with Glenvp&愚蓮隊 Day2

二日目
晴れのち曇り
国師ヶ岳付近より富士山を望む
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by yasler | 2010-10-25 22:46 | 歩記

Okuchichibu hike with Glenvp&紅蓮隊

加筆済
2010 10.7~10.9
DAY1
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by yasler | 2010-10-12 14:34 | 歩記

梅雨に丹波天平

2010年6月28日~29日
親川~丹波天平~サヲウラ峠~ミサカ尾根(泊)
ピストンで親川に下山

丹波天平にて。
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時期的に晴れは期待しておらず、景色にこだわらないでとにかく一夜露営するというテーマでこの工程となった。
異空間のごとくだだ広い広場を通り、熊の気配が濃厚な森を抜けて人の気配がない岩の上で星を見る計画。
天気には恵まれない僕だけど何故か満天の星にはいつも遭遇する。
さて今回はどうなったか。

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by yasler | 2010-07-05 01:50 | 歩記

natural high2010

2010年5月22日~23日

道志の森キャンプ場
晴れのち雨
自称light weightどまりハイカーT、A女史、H女史、キャンプ初体験の五歳児Gとワタクシの5名。

野外フェスが好きではない自分が唯一参加するイベント。
いつも森の奥の静かなサイトに張るんだけど、今年は人でいっぱいだった。
T氏のORIGAMI4、広い。
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by yasler | 2010-06-11 01:27 | 歩記

奥秩父の旅

5月13日~15日
1日目、栃本~四里観音避難小屋(泊)
2日目、四里観音避難小屋~十文字小屋~甲武信ヶ岳~雁坂小屋(泊)
3日目、雁坂小屋~雁峠~広川~新地平

雁峠にて
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山に登るという事は絶対に山に寝る事でなければならない
山から出たばかりの水を飲むことでなければならない
中略
そして山その物と自分というものの存在が根底においてしっくり融け合わなければならない
田部重治「山と渓谷」より

そもそも山登り=山旅と意識するようになったのは、田部重治の文を読むようになってから。
なので避けて通れない必然の道として、春ただ中の栃本入り奥秩父行となった。

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by yasler | 2010-05-21 01:46 | 歩記