奥秩父の旅

5月13日~15日
1日目、栃本~四里観音避難小屋(泊)
2日目、四里観音避難小屋~十文字小屋~甲武信ヶ岳~雁坂小屋(泊)
3日目、雁坂小屋~雁峠~広川~新地平

雁峠にて
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山に登るという事は絶対に山に寝る事でなければならない
山から出たばかりの水を飲むことでなければならない
中略
そして山その物と自分というものの存在が根底においてしっくり融け合わなければならない
田部重治「山と渓谷」より

そもそも山登り=山旅と意識するようになったのは、田部重治の文を読むようになってから。
なので避けて通れない必然の道として、春ただ中の栃本入り奥秩父行となった。

パック
go lite Breeze

行動着
fine track スキンメッシュT
パタゴニア キャプリーン2長袖
go lite wispヤッケ
injinji靴下
montrail コンチネンタルディバイド
outdoor Researchハット
gossamer gear LT4杖

雨具
モンベル ピークシェルジャケット
パイネ レインスカート
ROCKY ゴアソックス

寝巻
パタゴニア パフボールジャケット
モンベル インナーダウンパンツ
イスカ 象足
モンベルULダウン4番









三峰口駅よりバスで向かう。
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5人ほどのハイカーが乗っていたが、栃本で下りたのは自分をふくめ2人のみ。
皆川又から十文字峠を目指すのだろう。
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山で神社を見つけると必ず参拝することにしている。
装備や心構えは万全にしているつもりなので、あとは無事帰れるよう神仏に祈るしかない。
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小一時間山道を上がったところでいきなり舗装路に出くわすので、びっくりというかがっかりする。
ここまで車で上がってこれるのだろうか?
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どの程度正確かは分からないが一里ごとに観音が祀られている。
そんなに古い物には見えないが、一体ずつ作者名が彫られている。
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二里観音
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ほとんど展望はなくひたすら樹林帯の中を行く。
大した難所があるわけではないが、何故かとてもツラい歩行が続く。
雪があるわけでもないのに、起点で時計を見るたびコースタイムより時間が稼げない。
ここはハイキングコースではなく峠を人力で越えるための、古の道なのだと身にしみて思った。
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何故かやかん。
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三里観音
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当初の思惑では十文字峠を越えてしばらく行った所でビバークできるだろうと考えていたが
とてもたどり着けず、日暮れ間近にちょうど四里観音避難小屋に到達。
タープ持参だったが急激に冷え込み白い物がちらついてきたので、まさに緊急避難として小屋に逃げ込んだ。
とにかく予想以上にハードな行程だった。
歩いてみないと分からないものだ。
しばらく様子を伺うもその後来客はなく、悠々独り占めのお宿となった。
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HIKER`S DEPOT Quattro stoveを五徳としてサイダーのフタにカーボンフェルトを詰めたアルコールストーブを湯沸かし器とした。
容量が足りず400cc沸騰直前に消火。
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小屋に干してあった封筒型シュラフを拝借して断熱材としてその上にリッジレスト、モンベル4番、ブリーズドライテックのシュラフカバーで寝床を作った。
このカバーはまず結露してダウンを濡らすので化繊キルトを間に挟む予定だったが出発前にうかつにも貸し出してしまい使用できなかった。
しかし低湿度と保温不足のせいか、結露はなかった。
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α米、若干のウイスキーを腹に収め八時ごろには就寝。
夜半寒さで何度か目が覚めるのは、やはりキルト一枚分保温力が足りていないのだろう。
それでもハードだった行程の疲れが勝り、それなりの熟睡が得られた。
最低室温零度であった。
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2日目
5時起床雲が多いがまずまずの天気の中、6時に行動開始。
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この日も特に展望のない樹林帯をひたすら歩く。
このルートは単に十文字峠と甲武信をつなぐためだけの道という印象だった。
はっきり言って地味なルートで殆ど人に会わなかった。
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見事なつららを垂らしている岩がある。
つららと見ると全てたたき割りたくなる癖があるが、あまりに立派なので見とれてしまった。
幅10センチ長さ50センチほどの物もあり、指でたたいてみると低くて良い音がした。
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少し前に結構な積雪があったらしく深い所でヒザ上ぐらいまで雪があった。
ただかなり締まっているため歩きやすかった。
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12時前に甲武信岳山頂。
寒波が来ていたらしくかなり寒かったのでレインスカートまで着用した。
ベースを一段厚くするべきだった。
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行動食。
今回の山行でレーズンが食べられるようになった。
コンデンスミルクを吸うと背中に電気が走る。
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16時半に雁坂峠。
直下の小屋まで結構距離があるうえに急坂なので、そのへんで生き倒れたかったが適地が見つからないので素直に小屋まで下りて幕営。
小屋には管理人も客もいなく閑散としていたので、小屋の脇にあったデカい骨を見てドキッとした。
多分シカだろう。
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中々良く張れたと思う。
やはりフードの部分を後ろに引っ張ると感じがよい。
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アルミのフタは詫び寂感が強いが、半開きのまま飲み物をすすれるのでいくらか冷めにくい。
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見事な星空を仰ぎつつ20時頃就寝。
明日は晴れそうだ。
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3日目
4時起床5時出発。
予定ではこのまま峠から広瀬湖まで下りてしまうつもりだったが、あまりに良い天気なので雁峠まで歩く事にする。
この雁坂峠~雁峠間がこの縦走路で一番気持ちが良い道なので、この天気で歩かないのは勿体ない。
下山日に晴れるのがらしいと言えばらしい。
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期待していた通り大変気持ち良い道が続く。
以前は巻いて行った古札山を登ったが、巻くのは勿体ないぐらい富士山方面の展望が良い山頂だった。
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雁峠を見下ろす。
ここに来ると何故か写真を撮りたくなる。
大変気持ち良い歩きだったので、もう終わりかと思うと感慨深かった。
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まさに峠らしい雁峠に別れを告げて、縦走路を外れて広瀬湖方面へと下りる。
この沢沿い下山路が渓谷っぽくなっておりとても素晴らしい道だった。
なぜもっと紹介されないのか不思議なぐらい良かった。
ただクマの気配が濃厚なので熊鈴を打ち鳴らしながら歩いた。
淵を覗くと結構大きな魚影があった。
ニジマスっぽかったが何だろう?
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カエルの卵を久しぶりに見た。
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ヨセミテもかくやと思わせる眺め。
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ソローが住んでいそうな小屋を過ぎると情緒のないダラダラとした林道歩きとなり、実質ここで山行は終わりを告げた。
川もコンクリで固められ重機が見えて来る。
チラホラと釣り師の姿も見られた。
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9時に下山後、新地平バス停そばのトイレにて。
塩山駅行きのバスと山梨市駅行きのバスがあり後者のバスはすぐ来たが、塩山の温泉に入りたいため見送る。
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山では冬が戻ってきたような寒さだったが、下はやはり春だった。
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乗客が自分一人だけのバスで塩山駅まで。
塩山駅そばの温泉宿井筒屋別館に行くが、まだ入れないというので近くの本館に案内してもらう。
案内してくれた女将さんは山歩きをするらしく、自分が歩いて来たルートを説明するとよく知っている感じだった。
先日も白馬に行ってきたがヒザを痛めてしまったという。
とても感じの良い人で湯治の宿らしいので、機会があれば泊ってみたいなと思った。
入浴のみで500円、もちろん良いお湯だった。
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風呂上がり後近くの食堂でビールを飲み帰路へついた。
やはり奥秩父が好きだ、そう思わせる3日間だった。
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by yasler | 2010-05-21 01:46 | 歩記
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