南アルプス 鳳凰三山縦走その3

3日目
山岳部高校生の話し声で3時前に目が覚める。
しかし彼らはいったい何時間寝たのだろう。
闇の中をヘッドランプで照らしてみると小雨とガスで真白になっている。
暗いうちから出ようと思っていたけど、このガスでは危険なので明るくなるまで待つこととした。
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クルルに食パン、インスタントコーヒーと前日と似たような食事を腹に納める。
もう少しマシなものを食べたいが「食材が豪華になる→クッカーがでかくなる→ストーブが大仰になる→ザックがでかくなる」の連鎖に陥るためいつもこんな感の食事となる。

サクッと撤収して空が明るみ始めた4時半に出発。
まだしとしとと雨が降っているため雨具上下(モンベルピークシェル)にゴアソックスを装備した。
いつもは蒸れなくて着脱が楽なレインスカートを愛用しているのだけど、今回は未知の稜線歩きなのでレインパンツを持った。
ゲーターも持っていたけど着けなかった。
タープが水を吸っているようだけど、幕体が小さいのでさほど気にならない。
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この日のルートは下山道というよりがっつりな稜線歩きとなる。
アップダウンがかなり激しいと聞いていたので覚悟していたけど、なるほどこれはつらい。
樹林帯を抜けるとひたすらハイマツの藪こぎと岩場歩きを強いられる。
ハイマツを抜けて岩場の稜線に出ると、全くの吹きさらしとなり急速に体温を奪われる。
晴れていれば180度のパノラマを拝めるであろうピークを、いくつも過ぎるがガスで全く展望なし。
ピークからまた次の尾根へ向う道が大きな岩が転がっていて不明瞭でわかりずらい。
来た道はガスで全く見えないため「これは迷ったら戻れないぞ・・・」と思い何度もコンパスで方角を確認しながら進んだ。

気持ち良いと思える瞬間がまるでなく、はっきり言ってこのルートを選んだ事を後悔していた。
歩きが辛くて展望ゼロとあっては苦行でしかない。

1枚、たった1枚でいいから良い光景をカメラに収めたい。
そうすればこのルートを選んだのは間違いではなかったと思える気がする。
そんな事を考えながら歩き続けてこの尾根の最高峰である、アサヨ峰(2799m)にたどり着いた時にほんの一瞬ガスが晴れた。
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まあこれで良しとしようか。

またガスの中を歩き続けて樹林帯を巡り12時ジャストにバス停のある北沢峠へと下りてきた。
ここからバスに乗り、広河原峠で乗り換えて甲府駅へと帰る事になる。
このひ同じルートを歩いていた人はみかけなかったけど、北岳方面からの帰りなのだろうかどっと人が増えた。
広河原峠で乗り換えた時に早川小屋で隣にゴアライトを張っていたおじさんに再開した。
この人はショートカットしてここまで下りて来ていた。
「稜線はどうだった?」と聞かれて「えーいやまあ・・・良かったですよ?」と答えておいた。

芦安の温泉施設には行かず甲府駅から歩いた所にある、温泉がでる銭湯で湯に浸かり帰路についた。
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これはカメラに残ったフィルムの最後の1枚。
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by yasler | 2009-08-04 23:29 | 歩記
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