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再開の尾瀬

『多くの楽しみと美しい思い出とを満載して「時」の船が岸を離れる。岸では懐かしいいくつかの顔が涙ぐみながら出発する船を見送る。私たちはまた来るだろう。今度はもっと大人になり、今よりももっと賢くなって』
尾崎喜八「高原にて」より
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テントや食料、衣服などを背負い緑の木々の中を(時には茶色い砂塵の中を)歩き、程よい場所で一夜を過ごしまた歩き出す。
こうした原始的で科学的な遊びから離れて気がつけば数年が経過していた。
その間僕の身と心はすっかりクライミングという遊びに奪われていた。そのクライミングを共にすることが多い仲間から近頃「山を歩きたい」という声が聞かれるようになった。僕と同じように元々はテントを担いで山を歩く行為(その中でも少しマニアックな)からクライミングに移行した仲間達だ。
そんな仲間達と一泊の尾瀬歩きとなった。

2016.9.17〜9.18
鳩待峠〜山ノ鼻〜見晴(泊)〜尾瀬沼〜大清水
鳩待峠を出発し、ひたすら木道を行く。あまりに続く平行移動に不安になるころ眼前が開けて、いかにも尾瀬といった光景が現れる。
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photo by ヤハギくん

とりとめのない(およそ目の前の自然とは関係のない)話しをしているうちに幕営地である見晴キャンプ場に着いてしまった。思わず「着いてしまった」と言いたくなるほど快適な道程だった。
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離れたところに我々と似た趣向の道具だての2人組が幕を張っていた。そこで意気投合し宴を催すような社交性は我々にはなかった。
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幕を張り昼過ぎから夜半にかけての行動については詳しく記さずにおく。
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夜半から降り出した雨が夜中には激しさを増していた。
屋根をたたく雨音を聞きながら「ああ、山で寝るとはこういうことだったか」とまどろみつつ感慨にふけっていたら、枕にしていた着替え入りのスタッフサックが水たまりの中に沈んでいた。早く朝が来て欲しいと願うこの気持ちもまた懐かしい感覚だった。
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雨に追われるように撤収し出発。
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photo by yanasenpai(上城山岳隊)
この日も木道を滑るように歩行し(実際2回ほど滑り転倒した)尾瀬沼を経由し終点の大清水にたどり着いた。
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日帰りの沢登りやクライミングでのキャンプを除くと、純粋に山で眠るためにテントを担いで歩くのは実に2011年以来となる。
登山のオプションとしての宿泊ではなく、あくまで地面の上で煮炊きをして星を眺めながら眠るために山を歩く。
今までになくeasy(で和気あいあいとした)な行程だったけれど、僕にとっての野外活動の原点であるこの感覚を取り戻した良い山行だった。

同行のパイセン、ハンハン、ヤハギくんそしてサンプルのバックパックを貸してくれたgreat cossy mountainのコッシーさんに感謝。

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# by yasler | 2016-09-19 10:49 | 歩記

笛吹川を溯る 2日目

2日目

簡単な朝食を済ませ済み渡った空気の中出発。
木々の間から青空が見える。
渓では涼しい風がそよいでいるが稜線上ではすでにかなりの暑さになっているだろう。
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# by yasler | 2011-08-28 17:03 | 歩記

笛吹川を溯る

「秩父の山の美はむしろ渓谷にある。そしてこれほど壮絶な、これほど潤いを有する渓谷を、何処に見出す事が出来るだろうか。私たちは秩父に誇るべき一景を加えたことを喜ばずにはいられなかった。」

田部重治「山と渓谷」より

昨年あたりから夏の灼熱の登山道から沢を見下ろすたびに「あそこに飛び込めたらどれだけ幸せだろうか」と考えていた。

そしてついにクライミング仲間Hを伴い奥秩父の渓谷へと降り立った。

2011年 8月13日~14日
笛吹川東沢釜の沢の遡行。
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# by yasler | 2011-08-28 13:20 | 歩記

被災地へ

あの日僕はビルの七階にいた。
尋常ではない揺れにこれはただごとではない、何か大変な事がこの国で起こったと直感した。
そしてそれは東北で起こっていた。
都心では交通機関がストップしていたため、自宅まで五時間かけて歩いて帰った。
帰宅するなりTVをつけると訪れた事もない聞いた事もない地名の街が、濁流に飲み込まれていく映像が流れていた。
まるで実感はなく「まじかよ、すごいな」とため息をもらすばかりだった。

そしてあの日から一ヶ月後、僕はその地に立っていた。
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# by yasler | 2011-04-21 00:37 | 雑記

奥秩父で胸ラッセル

2011.2月25日~2月27日
西沢渓谷~徳ちゃん新道~甲武信小屋(幕営)
甲武信小屋~甲武信ヶ武~雁坂峠
雁坂峠~道の駅みとみ

念願だった冬期の奥秩父歩きへ。
トレース無しの胸ラッセルで痛快なハイクとなった。
写真のみで綴る。
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# by yasler | 2011-04-17 21:19 | 歩記